海嶺(下) 三浦綾子 角川文庫

海嶺(下) 三浦綾子 角川文庫


□マイブックミシュラン(星最大5つ)

読みやすい ☆☆☆
心にひびく ☆☆☆☆
ためになる ☆☆
ビジネス書 ☆
人生ヒント ☆☆☆







□ブログ管理者評

江戸幕府は各藩の海の血からを削ぐために大型船の製造を許さなかった。それが数知れない多くの漂流を生んだ。太平洋の大海原へ小さな木の葉のような船が流されれば、あとは神仏に祈るしかない。荒天による転覆、水・食料の不足による餓死など生き残るものは稀であっただろう。その数少ない生き残りの数奇な漂流生活を「日本に帰りたい」という船員たちの一心な想いに則して描かれた作品だ。鎖国時代の日本と大航海時代の世界との立ち位置も感じさせてくれる。作者がクリスチャンであることによる鎖国日本への視点も注目していい。








□作品内容

ゼネラル・パーマー号でマカオに送り届けられた岩松改め岩吉、久吉、音吉は、祖国の地を踏む日を待ち続けていた。彼らは日本で固く禁じられているキリスト教に出会い理解する中で、過去現在と自分たちを支えてくれた異国の人々の無償の愛に、心から感謝するのだった。そしてようやく日本を目前にする日がくるが、祖国は彼らに冷たすぎる仕打ちをした……。運命に翻弄される人間の真の強さを問う壮大な物語、涙の完結巻。

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□作者プロフィール

三浦綾子(みうらあやこ)
1922年、北海道旭川市生まれ。旭川市立高女卒。朝日新聞社の懸賞小説に『氷点』が入選。大ベストセラーとなる。人間の原罪などをテーマに、著書は多い。代表作は、『塩狩峠』、『海嶺』、『母』など。







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