燃えよ剣(上)(下) 司馬遼太郎 新潮文庫

燃えよ剣(上)(下) 司馬遼太郎 新潮文庫



□マイブックミシュラン(星最大5つ)

読みやすい ☆☆☆
心にひびく ☆☆☆☆
発見がある ☆☆☆☆
ビジネス書 ☆☆
人生ヒント ☆☆☆


□しおり

「わかりませんよ。もってうまれた自分の性分で精一ぱいに生きるほか、人間、仕方がないのではないでしょうか」と、いった。沖田にしてはめずらしいことをいう。あるいは、自分の生命をあきらめはじめているのではないか。[下:P83]

そういう変な、筋のとおらない、もやもやとしているくせに一種活性を帯びたものが接着剤となって、人間というものが結びあうばあいが多いらしい。[下:P366]


□ブログ管理者ぶなの寸評

土方歳三といえば、言わずと知れた新撰組副長のことである。新撰組というものは、よくわからない。幕末の京大坂で殺戮を行った集団にも関わらず、まるでヒーローの集団のように扱われたりもする。よく、わからない。それだけ何か人間の魅力が詰まった人の集まりだったのだと推察するしかない。その中で土方歳三というのは最も重要な役割だったことが、この小説から伺える。自分の命を新撰組と同化させたと言っても過言ではない生き様は、なぜか清々しささえ覚えてしまう。


□内容紹介

幕末の動乱期を新撰組副長として剣に生き剣に死んだ男、土方歳三の華麗なまでに頑な生涯を描く。武州石田村の百姓の子”バラガキのトシ”は、生来の喧嘩好きと組織作りの天性によって、浪人や百姓上がりの寄せ集めにすぎなかった新撰組を、当時最強の人間集団へと作りあげ、己れも思い及ばなかった波紋を日本の歴史に投じてゆく。「竜馬がゆく」と並び”幕末もの”の頂点をなす長編。

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□作者プロフィール

司馬遼太郎(シバリョウタロウ)
1923-1996。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた’60(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。'66年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。'93年には文化勲章を受章。“司馬史観”とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめるなか、'71年開始の『街道をゆく』などの連載半ばにして急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全50巻)がある。

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