ふらんす物語 永井荷風 岩波文庫
□マイブックミシュラン(星最大5つ)
読みやすい ☆☆☆
心にひびく ☆☆
発見がある ☆☆☆☆
ビジネス書 ☆☆
人生ヒント ☆☆
□しおり
往々にして自分には、藝術も、政治も、哲学も、諸有(あらゆ)るものが、その表号する声は何であっても、とどのつまりは、乃(すなわ)ち、人を飢えざらしめんために、存在しているに過ぎぬように思われてならぬ事がある。[P152]
自分は何に限らず、きちんと整頓しているものよりも、乱れたものの間に無限の味いを掬み出す。整頓と秩序とは、何の連想をも誘わないからね。[P189]
□ブログ管理者評
明治40年のフランスのことが目に浮かんでくる。そこにフランス人と日本人の男女関係が主人公の肌を通して温度が伝わってくるかのようだ。あめりか物語とともに当時の状況を知る貴重な文庫といえるだろう。ただ、主人公のフランスに対する思い入れ、日本に対する感情が強すぎるせいか、読み疲れてしまう感があるのが残念だ。
□内容紹介
明治四〇年七月、二七歳の荷風は四年間滞在したアメリカから憧れの地フランスに渡った。彼が生涯愛したフランスでの恋、夢、そして近代日本への絶望―屈指の青春文学の「風俗を壊乱するもの」として発禁となった初版本(明治四二年刊)を再現。
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□作者プロフィール
永井荷風(ながいかふう)
(1879年~1959年)日本の小説家。西洋化されていく日本文明を批判し、かつての江戸文化を深く愛した粋人。耽美派の旗手として「あめりか物語」「すみた川」などを発表し、穏やかな詩情や鋭い芸術鑑賞によって文化勲章を授賞。東京出身。
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