ろまん燈籠 太宰治 新潮文庫

公開日: 2013年2月2日土曜日 出版社_新潮文庫 著者_太宰治

ろまん燈籠 太宰治 新潮文庫


□マイブックミシュラン(星最大5つ)

読みやすい ☆☆☆☆
心にひびく ☆☆☆☆
発見がある ☆☆
ビジネス書 ☆
人生ヒント ☆☆☆






□しおり

「あたし、おもてへ出てみたいの。なんだか胸が苦しくて。」顔が真蒼(まっさお)でした。
王子は、あまりに上機嫌だったので、ラプンツェルの苦痛に同情する事を忘れていました。人は、自分で幸福なときには、他人の苦しみに気が附かないものなのでしょう。[ろまん燈籠:P35]







□ブログ管理者評

太宰は、わからない。

自らを道化して書かれた作品が多いが、本著もそのひとつであり、佳作がつまったものである。わからない、というのは、自嘲しているはずであるのに、それは自らをありのままに描いているのではなく、技巧として自らを落とし込み、ボロボロの服を着込み、小心さゆえの大言を吐き、人の目を気にし、それでもふてぶてしく、それがまた自らをえぐる伏線ともなる。

まるで太宰本人が自分の人形を作り出し、自分そのものであるはずなのに物語の箱の中では自らの意思とは別に、手を曲げ足をひねり顔をゆがめている。読み手としては本当の太宰の姿を想像してしまうが、実はそれは人形である。

太宰作品を読んでいて、わからない、というのはそういうことだ。どこが本当の太宰なのか、人形の太宰なのかわからない。ただ、本著を読んでみて、やはり我々は人形の太宰を見せられているのではないか、という疑いのほうが益々強まったことは確かである。







□内容紹介

小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに、五人の性格の違いを浮き彫りにするという立体的で野心的な構成をもった「ろまん燈籠」。太平洋戦争突入の日の高揚と虚無感が交錯した心情を、夫とそれを眺める妻との画面から定着させた「新郎」「十二月八日」。日本全体が滅亡に向かってつき進んでいるなかで、曇りない目で文学と生活と戦時下の庶民の姿を見つめた16編。

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□作者プロフィール

太宰治(だざいおさむ)
(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。







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