二十四の瞳 壺井栄 角川文庫

二十四の瞳 壺井栄 角川文庫


□マイブックミシュラン(星最大5つ)

読みやすい ☆☆☆
心にひびく ☆☆☆☆☆
発見がある ☆☆☆
ビジネス書 ☆
人生ヒント ☆☆☆







□ブログ管理者評

僕はこの小説の舞台である小豆島に行ったことがある。

映画化された力は大きく、撮影に使われたセットがそのまま残されており、一大観光スポットになっている。舞台となった岬の分教場は三方を海に囲まれていて、いまも当時と変わらず瀬戸内海の波の音がやさしく響き続けている。

大本営が犯した無謀な戦争へと送り込まれる青年たちは、小学生時代の大事な時期を若くして赴任した小石先生という女性とともにこの小さな岬の分教場で学んだ。

無謀な戦争、と言ったが、そのとおり貧しい寒村でただ一所懸命に生きる人々をも激流の木の葉のごとく暗い運命へと飲み込んでしまった。しかし皮肉なことに軍国主義の巨大な漁火によって小さな存在たちの影は益々くっきりと躍動する。

この著書はそのくっきりとした影たちをやさしく包み込み、巨大な漁火から筆でもって守っているかのようだ。









□内容紹介

昭和のはじめ、瀬戸内海べりの一寒村の小学校に赴任したばかりの大石先生と、個性豊かな12人の教え子たちによる、人情味あふれる物語。
分教場でのふれあいを通じて絆を深めていった新米教師と子どもたちだったが、戦争の渦に巻き込まれながら、彼らの運命は大きく変えられてしまう…。
戦争がもたらす不幸と悲劇、そして貧しい者がいつも虐げられることに対する厳しい怒りを訴えた不朽の名作。

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□作者プロフィール

壺井栄(ツボイサカエ)
香川県小豆島生れ。内海高等小学校卒。島の郵便局等に勤めた後、1925(大正14)年上京、同郷の詩人壺井繁治と結婚。夫と共に全日本無産者芸術連盟に関わり、作品を書き始める。「大根の葉」、『暦』(新潮社文芸賞)、『柿の木のある家』(第一回児童文学賞)、『母のない子と子のない母と』『坂道』(芸術選奨文部大臣賞)等、故郷の風土に根ざした庶民的な愛情に満ちた作風で幅広い支持を得た。1952年に『二十四の瞳』が映画化された。








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