白夜草紙 五木寛之 文春文庫

白夜草紙 五木寛之 文春文庫


□マイブックミシュラン(星最大5つ)

読みやすい ☆☆☆
心にひびく ☆
発見がある ☆
ビジネス書 ☆
人生ヒント ☆☆






□しおり

「マスターはちょっと黙り込んで、独りごとのように呟いた。「ああいう人って、なにか幸せになっちゃ納得がいかない人みたいな気がする。」「やりきれない話だな、そんなのって」「ええ。気の毒だけど仕方がないでしょう。世の中ではいつもいじめられる人と、いじめる人がいるわけだから」「そうかな」「そうだと思いますねえ」マスターの言葉には変な実感があって私の気を重くさせた。彼の言った、「幸せになっちゃ納得がいかない人」というものは、確かにあるという気がしたからだった。[P149]







□内容紹介

あたかも昼のように見えるが、実は夜なのだ───。大学教師の座からドロップアウトした知的傍観者とその妻、流行歌手をめざす少女、そして若き革命者たちが都会の片隅のスナック、街なかの雑踏にくりひろげる70年代へのレクイエム。現代の虚無と倦怠を、抑制した筆致で的確に描きあげた異色の長編ロマン。


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□作者プロフィール

五木寛之(イツキ・ヒロユキ)
1932(昭和7)年9月福岡県に生まれる。生後まもなく朝鮮にわたり47年引揚げ。52年早稲田大学露文科に入学、57年まで在籍。業界紙編集者、レコード作詞家、ルポライターなど多くの職業をへて66年『さらばモスクワ愚連隊』で第6回小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞を受賞。『青年は荒野をめざす』『青春の門』『風に吹かれて』ほか多数の作品がある。






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