幽霊─或る幼年と青春の物語─ 北杜夫 新潮文庫

公開日: 2014年1月20日月曜日 出版社_新潮文庫 著者_北杜夫

幽霊─或る幼年と青春の物語─ 北杜夫 新潮文庫


□マイブックミシュラン(星最大5つ)

読みやすい ☆☆
心にひびく ☆☆
発見がある ☆☆☆
ビジネス書 ☆☆
人生ヒント ☆☆







□投稿者しおり

人がはじめて突きぬけた孤独を覚え、自分自身に尋ねようとする時期に僕は達していた。無限にひろがる<自然>にとりかこまれながら、陳腐な、だが永久にけっして尽きることのない問を自分に課した。この僕は一体どこから生まれてきたのだろう?[P46]

運命というものは、むしろはじめから人々の体内をめぐる血液のなかに含まれていうのかも知れない。*** わけもなく葉に穴をあけている蚕が、ときおり不安げに首をもたげてみる。それは人間の言葉で彼等の意味とはちがうにしても、人は生涯に何度か、それに似た時間をもつもののようだ。[P85]







□ブログ管理者評

「幽霊」とは、いったい何であろうか。目に見えないはずなのに、目に見える。見える人には見えるのに、見えない人にはまったく見えない。それもそのはず、幽霊はその人の中に存在するものだから。

幽霊が存在できる素地はほとんど幼年の頃につくられる。作者の詩的な表現が散りばめられた作品である。蝶、蛾、甲虫、霧、谷、岩、アルプス、大自然とともに幼年から青年を過ごした主人公の幽霊を読者もつい探してしまうことだろう。







□内容紹介

「人はなぜ追憶を語るのだろうか。どの民族にも神話があるように、どの個人にも心の神話があるものだ」昆虫採集に興ずる少年の心をふとよぎる幼い日に去った母親のイメージ、美しい少女に寄せる思慕・・・過去の希望と不安が、敗戦前後の高校生の胸に甦る。過去を見つめ、隠された幼児期の記憶を求めて深層意識の中に遡っていく。これは「心の神話」であり、魂のフィクションである。


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□作者プロフィール

1927(昭和2)年5月生れ。1960年、半年間の船医体験をもとに『どくとるマンボウ航海記』を刊行し、一躍ベストセラーとなる。同年、『夜と霧の隅で』で芥川賞を受賞。その後『楡家の人びと』(1964)で毎日出版文化賞、『輝ける碧き空の下で』(1986)で日本文学大賞、1996年芸術院会員。1998年には『青年茂吉』を始めとする斎藤茂吉評伝四部作により大佛次郎賞を受賞。ユーモア溢れるエッセイでも人気が高く、多くのファンに愛された。2011年10月24日逝去。






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