城塞(上)(中)(下) 司馬遼太郎 新潮文庫

城塞(上)(中)(下) 司馬遼太郎 新潮文庫

□マイブックミシュラン(星最大5つ)

読みやすい ☆☆☆☆
心にひびく ☆☆☆☆
発見がある ☆☆☆
ビジネス書 ☆☆☆☆☆
人生ヒント ☆☆☆







□しおり

・古往今来のよき大将とは、配下に案を出させると、そのことを大将みずから考えてはいても、「何兵衛、よう気づいた」と大ほめにほめるものなのである。であればこそ配下の者どもは知恵をしぼって策を考え、それを上申することをよろこぶ。[(上)P431]

・人間は気持を言葉にあらわすというのは存外うそかもしれない。言葉がまず飛びだして、気持があとから食っついてゆくものであるのかもしれない。[(中)P88]

・かれは、詩人であった。日本人に愛されるには、詩人もしくは詩的行動者でなければならない。大阪方の敵である徳川家康の行蔵にはおよそ詩的なものがなかった。それにひきかえて大阪籠城軍諸将の人生と行動はいかにも詩的であり、団右衛門はそのなかでもきわだっている。[(下)259]







□ブログ管理者評

関ヶ原、大阪城、豊臣滅亡、徳川家康、これらのキーワードを結ぶものとして、この小説の役目は大きい。日本人の大きな転換期のひとつとして、未来永劫語られる歴史事項は、小説という人間描写とともに記憶に刻むのがスマートで、いい。








□内容紹介

「豊臣家をつぶす」─”関ヶ原”から十四年、徳川家康は多年の野望を実現すべく、大阪城の秀頼・淀殿に対して策謀をめぐらす。方広寺鐘銘事件など、つぎつぎと打ち出される家康の挑発にのった大阪方は、西欧の城塞をはるかに凌ぐといわれた巨城に籠城して開戦することを決意する。大阪冬ノ陣・夏ノ陣を最後に陥落してゆく居城の運命に託して、豊臣家滅亡の人間悲劇を描く歴史長編。



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□作者プロフィール

司馬遼太郎(シバリョウタロウ)
1923-1996。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。
産経新聞文化部に勤めていた’60(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。
以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。
'66年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。
'93年には文化勲章を受章。“司馬史観”とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめるなか、
'71年開始の『街道をゆく』などの連載半ばにして急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全50巻)がある。

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