三陸海岸大津波 吉村昭 文春文庫

公開日: 2015年10月10日土曜日 五つ星あり 出版社_文春文庫 著者_吉村昭

三陸海岸大津波 吉村昭 文春文庫



□マイブックミシュラン(星最大5つ)
読みやすい ☆☆
心にひびく ☆☆☆☆
発見がある ☆☆☆☆☆
ビジネス書 ☆
人生ヒント ☆☆

□投稿者しおり
私は、村長と中村氏の家の庭先に立ってみた。海は、はるか下方に輝き、岩に白い波濤がくだけている。「四〇メートルぐらいはあるでしょうか」という私の問いに、村長は、「いや、五〇メートルは十分あるでしょう」と、呆れたように答えた。羅賀(らが)は、楔(くさび)を打ちこんだような深い湾の奥にある。押し寄せた津波は、湾の奥に進むにつれてせり上がり、高みへと一気に駈けのぼっていったのだろうが、五〇メートルの高さにまで達したという事実は驚異だった。[P26]

□投稿者評
明治二十九年、昭和八年、昭和三十五年と、数十年おきに津波によって災害をもたらされている三陸海岸。直近では2011年の東日本大震災での被害が脳の記憶に生々しく焼き付いている。これだけ被災しているにも関わらず、人々はやはり海岸に住む。このことに関して、とてもとても、とても不思議に思われてならない。海の人のからだに刻み込まれたDNAが、何度家を流されようとも海のそばで生きるのだという強い意志を呼び起こすに違いない。津軽平野で育った僕には、そのDNAのかけらもないに違いない。海のDNAに微笑みかけられるのは、どんな気持ちになるのだろうか。そして、2011年の三陸沿岸の人たちがこの著書を読んでいたならと思うと、気持ちが定かではない。

□内容紹介
明治29年、昭和8年、そして昭和35年。青森・岩手・宮城の三県にわたる三陸沿岸は三たび大津波に襲われ、人々に悲劇をもたらした。大津波はどのようにやってきたか、生死を分けたのは何だったのか――前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。この歴史から学ぶものは多い。



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□作者プロフィール
吉村昭(ヨシムラアキラ)
1927年、東京生まれ。学習院大学中退。66年「星への旅」で太宰治賞を受賞。同年「戦艦武蔵」で脚光を浴び、以降「零式戦闘機」「陸奥爆沈」「総員起シ」等を次々に発表。73年これら一連の作品の業績により菊池寛賞を受賞する。他に「ふぉん・しいほるとの娘」で吉川英治文学賞(79年)、「破獄」により読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞(85年)、「冷い夏、熱い夏」で毎日芸術賞(85年)、さらに87年日本芸術院賞、94年には「天狗争乱」で大佛次郎賞をそれぞれ受賞。97年より芸術院会員。2006年7月31日永眠。

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